ベンチャーの最終面接で見られる6つのポイント

私は、30代で従業員数1万人以上の大企業から従業員数15名程度のベンチャーに転職しました。
その後、ベンチャー企業では人材採用にも携わっています。
実際にベンチャー企業の面接を数多く受けた経験と、採用側に立った経験をもとに「ベンチャーの最終面接で見られる6つのポイント」について解説します。
最終面接で、どのようなところが評価対象になっているのか、どうすれば最終面接を突破して無事に内定を取れるのか説明します。

① 自分で行動できる人か

ベンチャー企業では、自分で行動できる人なのか、つまり主体性があるのかということは非常に重視されます。
特に成長しているベンチャー企業では、常に仕事があり慢性的に人手不足の状態です。
サービスを提供しているお客様からのニーズがたくさんありますし、ベンチャー企業としても提供したいサービスがたくさんあるからです。
そのような環境下で、自ら手を挙げて、どんどんビジネスを推進してくれる人というのはとても重宝されます。
逆に、これだけたくさん仕事がある環境なのに自分から動いていけないような人であると、ベンチャー企業で活躍するのは難しいと思います。
またベンチャー企業は、少数精鋭であるということもあり、教育や研修にしっかり時間をかけている暇がありません。
そのため、1の情報で10を理解して、そこから主体的に自分で動いていけるような人材を求めています。
面接では、この主体性があるかどうかが重要なポイントであるため、面接でもこれまでの経験や実績をアピールする際には、主体性を発揮したストーリーを織り交ぜていくと良いでしょう

② 成果やアウトプットが出せるか

成果やアウトプットにもベンチャー企業はこだわります。
どんどんとアウトプットを出して行かないと、他の成長ベンチャーに負けてしまうのもありますし、業界から取り残されてしまうというような危機感もあります。
しっかりとプロセスを構築したけれど、全く売上が上がらなかったというようなサービスと、プロセスをまずは特急で構築して売上を上げながらプロセスを高めていくサービスがあった場合に、ベンチャー企業で好まれるのは後者のサービスです。
売上という成果が出ないサービスが責められることはありませんが、 評価されることもないでしょう。
面接では、成果やアウトプットを出した経験があるかどうかも聞かれると思いますし、それを実際にアピールできるようにしておきましょう。

③ カルチャーにマッチしているか

「カルチャーマッチ」 ということを聞いたことがあるでしょうか。
大企業にいると、この「カルチャーマッチ」という言葉はあまり聞き慣れないかもしれません。
大企業の場合は、人数が多いので多少尖った人や周りの人と意見の違う人であったとしても、受け入れることができる環境があります。
逆に言うと、1人の個人が会社に与えられる影響というのは非常に小さい、ということの裏返しでもあります。
一方でベンチャー企業では、1人1人が会社に与える影響が非常に大きいため、1人だけ周囲と合わない考え方や仕事のやり方をする場合、周りの人は非常に困ってしまいます。
またそういう人がいるチームでは、ビジネスの業績も拡大していかないケースが多いです。
ベンチャー企業には、それぞれのカルチャーというものがあります。
カルチャーを形作っているのは、それぞれのメンバーであるわけですが、面接官である役員や従業員は、面接を通して自社のカルチャーにマッチしているかどうかを常に確かめています
イエスマンが必要というわけではないですが、周りの環境に合わせることができずに孤立してしまうような人材は、ベンチャー企業にとっては必要ありません。
またそのような人材は、実際にベンチャー企業に入ったとしても、一年以内など短期で辞めてしまうことが多いのも特徴です。

④ 柔軟性があるか

ベンチャー企業では柔軟性も非常に重視します。
大企業では、部署や課が明確に分かれており、担当する業務についても細かく範囲が決められています。
そのため、与えられた業務範囲の中で正確な仕事をすることが求められます。
一方でベンチャー企業は、仕事の範囲が明確に定められていることは少ないです。
ある程度の業務範囲は決まっているもの、大企業と比べて部署横断での仕事が多いのも事実ですし、何より会社全体が成長しているので新しい仕事がどんどんと生まれてきます
自分の業務範囲と外れた仕事であったとしても、新たに知識やスキルをキャッチアップし、柔軟に仕事を進めていく姿勢が求められます
ベンチャーで活躍できるのは、こういった仕事での柔軟性を持った人材です。
もちろん自分の得意領域では十分に活躍しつつ、得意領域以外の分野でもやってみるという、柔軟な姿勢はベンチャー企業では歓迎されますし、周りからの評価が高くなっていきます。
新たな仕事が出てきたときに、とりあえずあの人に頼めば何とかしてくれる、安心感がある、というようなポジションを社内で築くことができれば、さらに成長していけるでしょう。
そのため、 面接で仕事のスタンスについて聞かれた時は、「私はこの仕事しかやりません」というスタンスではなく、「会社の成長に応じていろいろな仕事をやってみたい」というようなスタンスで臨むと良いでしょう。

⑤ 自分のキャリアビジョンをしっかり持っているか

ベンチャー企業では、自分のキャリアビジョンをしっかり持っているか、それを持った上でしっかり行動できているか、という点も重視されます。
大企業の場合は、自分と比べて5歳上の先輩、10歳上の先輩、20歳上の上司、などを見ているとなんとなく自分のキャリアパスが見えてくるものです。
そのため、明確なキャリアビジョンを持っていなくても、目の前の業務を進めていけば、自ずとキャリアパスができてくるものです。
そのためキャリアビジョンについてあれこれ悩むことも少ないかと思います。
また、大企業の場合は新たな事業を始めることもあまりないため、大企業の中で新たなキャリアパスが生まれるということもあまりありません。
一方でベンチャー企業は、ビジネス自体が新しいということもあり、5歳上の先輩、10歳上の先輩といったような概念がありません
年齢が上の人を見ても、自分のキャリアパスがイメージしにくいのです。
そのため、自分として5年後はこうなっていたい、10年後はこうなっていたい、このような仕事をしていたい、というようなキャリアビジョンがないと、ただ漫然と忙しい毎日を過ごすことになります。
その結果、様々なことはできるけれど、結局何もできないというような人材になってしまいます。
「柔軟性があるか」 のところで説明したのと若干矛盾して聞こえるかもしれませんが、様々な仕事をしつつ自分としての軸やキャリアビジョンを持った上で、成長しスキルアップしていく姿勢が求められます。
ベンチャー企業の面接でも、将来のキャリアビジョンについて聞かれることは多く、その時に「ただ、なんとなく」といった主体性のない姿勢だと、面接は通らない可能性が高いです。
もし、将来的に起業したいということであれば、それも面接で正直に言ってしまって構わないと思います。
逆に、ベンチャー企業ではそのような熱意のある人材を求めていますし、社内にもそのような人材が多くいます。

⑥ 会社のビジョンや方向性に共感しているか

最後であり最も重要なのが、この「会社のビジョンや方向性に共感しているか」ということです。
ベンチャー企業の面接では、ストレートにこのようなことが聞かれることはありませんが、会社のビジョンや方向性に共感しているというようなメッセージやストーリーは、面接で伝えるべきでしょう。
特に最終面接では、社長や役員が面接官であることがほとんどで、会社のビジョンにマッチしているかということは常にチェックしています。これにマッチしていないということは、会社のカルチャーにもマッチしていないということで、採用されることはないでしょう。
また、たとえ「共感」を取り繕って面接を通って入社できたとしても、ビジョンや方向性に共感できていない会社で働いていくのは、本人にとっても辛いことです。
そのため、最終面接の前には改めて会社のビジョンや方向性については詳細に調べておくべきですし、それに対して自分がなぜ共感しているのかというようなストーリーも考えておくべきでしょう。
逆に言うとそのストーリーが思いつかないようであれば、その会社は受けるべきではないかもしれません。
それぐらい「会社のビジョンへの共感」というのは、大切なものなのです。

まとめ ベンチャーの最終面接で見られる6つのポイント

この記事では、「ベンチャーの最終面接で見られる6つのポイント」について解説してきました。

  1. 自分で行動できる人か
  2. 成果やアウトプットが出せるか
  3. カルチャーにマッチしているか
  4. 柔軟性があるか
  5. 自分のキャリアビジョンをしっかり持っているか
  6. 会社のビジョンや方向性に共感しているか

1つ目は、「自分で行動できる人か」ということで、自ら手を挙げてどんどんと事業を推進してくれる人はベンチャー企業では重宝されます。
2つ目は、「成果やアウトプットが出せるのか」という観点で、ベンチャー企業では常にアウトプットをしていくことが求められます。
3つ目は、「カルチャーにマッチしているか」ということで、周りの環境に合わせることができず孤立してしまうような人材は、ベンチャー企業では求められていません。
4つ目は、「柔軟性があるか」で、自分の業務範囲だけでなく、他の業務も積極的に取っていくような姿勢が求められます。
5つ目は、「自分のキャリアビジョンをしっかり持っているか」で、大企業と違いキャリアパスが見えにくいベンチャー企業では、しっかりとキャリアビジョンを持っていないと、キャリアの迷子になってしまいます。
6つ目は、「会社のビジョンや方向性に共感しているか」ということです。
最終面接の前には会社のビジョンや方向性を再確認し、その中で自分がやりたい仕事ができるのか、会社に貢献できるのかということを改めて考える必要があるでしょう。
これらの6つのポイントについてしっかり対策をした上、ベンチャーの最終面接に挑んでいただければと思います。

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